
札幌地域労組大学非常勤講師ユニオンが、札幌圏の大学での賃上げを求めて、統一要求を行いました!
物価高に合わせて講師給(賃金)10%増
大学非常勤講師ユニオンが、札幌圏の全25大学に、10%の賃上げ要求を行いました。
大学非常勤講師の待遇は、授業数あたりのコマ単価で決められています。しかし、このコマ単価が、多くの大学で改定がなされておらず、20年前と全く同じ賃金で働いている大学もいくつかあります。
この20年で、最低賃金は、1.5倍(2005年641円→2025年1010円)になっており、大学非常勤講師の待遇だけ取り残されている状況です。
物価高の情勢もあり、消費者物価指数が直近5年間で13.2ポイント上昇していることにも鑑み、まずは講師給の10%アップを要求しました。
統一要求集会を開催
それにともない、韓国のドキュメンタリー映画『外泊』の上映会も行いました。
韓国の大手スーパーで働いていた非正規社員が突然クビを切られたことに抗議して、長期のストライキやスーパー内での泊まり込みを行った闘争です。
韓国文化に精通した組合員による解説も行われました。

“ひとりでは動かせないことを団結して変えていこうというユニオンの活動は、ある種の社会改革”
集会の中で話された、組合員のHさんのスピーチを全文掲載します。
札幌周辺の大学で中国語や中国文化を教えて約20年になります。
専任(常勤)であれ非常勤であれ、教壇に立っている教師は、学生からは、同じ「先生」として見えるでしょう。
もちろん、提供する教育の質は変わりません。
しかし、その待遇には天と地ほどの差があるのです。
非常勤講師という仕事はけっして高収入とは言えません。
かなりがんばって働いても、年収300万円に満たない人がほとんどです。
加えて、ボーナスも、保険もありません。
各種手当がつくこともほぼありません。大学で教えている、というと、世間的には時給が高い、割の良い仕事といったイメージを持たれるかもしれません。
ですがそれは、90分なり100分なり、授業時間しか働かなかった場合です。
実際にはそのようなことはほとんどありません。授業の準備や教材作り、テストの作成や採点、近年は学生さんの個別対応も増えています。
私たちはこうした授業外の仕事にも相当の時間を費やしていますが、現状、その対価が十分支払われているとは言えません。
すべての労働時間を含めると、自分の本当の時給がいくらになるのかは、恐ろしくて計算できません。では、授業は対価に見合う程度で事足れりとするか、といえば、そんな教師はいません。
私たちには、より良い授業を提供したいという教師としてのプロ意識や良心があるからです。
ただ、それが仇となって、不当な扱いに甘んじてきたのかもしれませんが……。いっぽう、われわれ非常勤講師の側も、自分たちの待遇におおらかすぎた面もあるでしょう。
このたび、札幌地域労組のサポートを受けて北星学園との交渉を進めるうちに、われわれの多くが、労働者として当然持つべき常識や権利(たとえば有給休暇)に、はなはだ無頓着であったことに気づかされました。
むろん、非常勤講師のなかには、そうしたことに気づいていた人もいたでしょう。
でも、自分ひとりで物申してもどうにもならないと諦めたり、次年度の雇用に影響するかもしれないと躊躇したりしてしまったのではないでしょうか。
「お金の話をするのははしたない」という日本的な価値観が足枷になったところもある気がします。
しかしながら、昨年、北星学園の「実質賃下げ」を機に、ユニオンの活動に加わり、団体交渉に参加してみてわかったことがあります。
それは、声を上げなければ「不満はない」と判断されてしまうこと、そして、大学と交渉をするには、個人の力では如何ともしがたいが、団結して粘り強く運動すれば、一定の成果が得られる、ということです。
もちろん、こちらの要望がただちにすべて実現するわけではありませんが、少なくとも、運動によって、現状よりはマシな状態に変えることができるのです。われわれの非常勤講師ユニオンはまだ結成して1年弱です。
近隣の大学で働く非常勤講師のみなさんにはまだまだ認知されていません。
今後はこうした方々にも、なにかあったときに泣き寝入り以外の方法があると知っていただきたいし、当ユニオンがその相談場所となれればと考えています。
そうして少しずつ連帯を広げ、大きなカタマリを目指していきたい。
いささか大仰に言えば、ひとりでは動かせないことを団結して変えていこうというユニオンの活動は、ある種の社会改革です。
今回ユニオンに加わるまでは、組合なんて面倒くさい、好事家のやることだろうと、ずっと敬遠してきました。
しかし、労働組合を作るのは、労働者のごくごく当たり前の権利なのです。そのことを訴えていきたい。
そして、教師として、これから社会に出ていく学生たちにユニオンで活動する姿を見せることもまた、重要なことだと思っています。
現時点で有額回答はナシ。今後につなげる
要求送付後、いくつかの大学から回答がきました。
賃上げに応じた大学はありませんでしたが、非常勤講師の待遇改善の必要性について、アピールすることができました。
全ての大学と交渉することは難しいですが、現在、交通費の実費支給を求めて、北海学園大学へ団体交渉を申し入れています。
応援よろしくお願いします!