パワハラ・イジメ問題解決へのプロセス

 職場でのパワハラやイジメはユニオンでしか解決できないと言っても過言ではありません。また、パワハラによって心身を病んでしまうと仕事が出来なくなるだけでなく、日常生活においても大きな支障をきたしてしまいます。このような問題に対処するには、私たち労働組合の知識とサポートが必要不可欠です。

パワハラの被害に遭ったとき、誰に相談したら良いですか?

CASE.1

会社や上司に相談する?
 まず、大前提として職場でのパワハラを自力で解決することは、とても難しいです。
 
 かといって、上司に相談をすべきかというと、パワハラの相談をすべき上司自体がパワハラの行為者であったり、職場のパワハラ通報窓口担当者がパワハラ行為者、あるいは行為者と近しい関係であることは往々にして起こり得ます。
 
 尚且つ、会社は基本的にパワハラを隠蔽することが非常に多く、勇気を出して訴え出たとしても、もみ消されることは珍しくありません。その上、会社は個人の申し出に対し、必ずしも対応しなくてはならない義務はありません。
 
 故に、職場でパワハラの相談をすることは、被害者にとってプラスになることは極めて稀なケースですので、お勧めしません。

CASE.2

労基署に相談する?

 パワハラの被害に遭ったとき、労働基準監督署に相談される方が多いですが、労働基準監督署はあくまで労働基準法に基づく、違法行為を取り締まる行政機関であり、パワハラやイジメについて、問題を根本的に解決させる踏み込んだ対応ができないというのが現実です。

 労働基準監督署に相談するとしても、私たち労働組合と連携して相談するほうが、非常に効果的であり、問題解決への選択肢も増えます。

CASE.3

弁護士に相談する?

 弁護士に相談することは、効果的と言えますが、基本的に弁護士への相談は裁判が前提となることがほとんどです。

 もしパワハラへの損害賠償等の裁判を検討されている方は、弁護士にご相談することもひとつの選択肢だと考えます。

 しかしながら、労働環境を改善させたい、誰もが安心して働ける職場をつくりたいということを目指すのであれば、解決へのアプローチを検討する必要があります。

 尚、私たち労働組合には労働法に精通した顧問弁護士がいます。弁護士に相談をするにしても、まずは労働組合に相談、加入したうえで、弁護士と連携したほうが有効と考えます。

CASE.4

労働組合に相談する!

 職場のパワハラ・イジメ問題解決について、労働組合は法的に優位性が非常に高いです。

 労働組合は、労働条件(労働に関わる事ほぼ全て)についての維持・向上を目的とした組織です。もちろんパワハラや職場のイジメ等も含まれます。

 また、労働組合は、これらの労働条件について法的拘束をもって会社と交渉できます。会社は、労働組合にパワハラについて交渉を要求されると拒否できません。拒否した場合は、違法行為となることがあります。

 尚、労働組合が交渉を要求した時点で、会社は労働組合を通さずに労働者と労働条件について直接交渉することができなくなります。このことにより、当事者を守ることができます。

 なので、パワハラやイジメ問題が起こった時には迷わず労働組合に相談してください。

パワハラ・イジメ問題解決への具体的なプロセス

STEP.1

可能であれば、パワハラが起こる前に労働組合に相談する

 パワハラやイジメ被害は、突発的に起こることもありますが、私たちの経験上、何らかの予兆があることがほとんどです。

 あいさつしたけど無視される、嘲笑される、何気ないことでも強い言い方をされるなどの直接的なことや、職場全体の秩序が乱れているなどの環境的なことなどがエスカレートしていって、ある日決定的なパワハラが起こるというケースが非常に多いです。

 働いていて違和感や身の危険を感じたら、迷わず私たち労働組合に相談してください。事前に相談をしてもらったほうが取れる対策の選択肢はとても多いです。備えあれば患いなしです。

 最悪、パワハラの被害に遭ってしまっている場合でも、とにかく早い段階で労働組合に相談してください。ひとりで抱え込んだり、自力で解決をしようとすると状況がさらに悪化することがあります。

STEP.2

絶対に退職届を出さない

 日々パワハラの被害に遭って、心身共に疲弊し苦しいと思います。しかし、絶対に退職届を出さないで下さい。

 退職届を提出してしまうと解決させるための選択肢が非常に少なくなってしまいます。そして、パワハラ行為者が期待した通りとなってしまいます。

 最終的に退職するにしても、労働組合に相談し、労働組合が交渉をすれば、自己都合退職をするよりもあなたに有利な形での退職ができる可能性があります。

 パワハラの被害に遭っている時は、精神的に疲弊していて正常な判断を下すことができなくなります。退職するのはいつでもできます。その前に私たち労働組合に相談をしてください。解決できる問題はたくさんあります。

STEP.3

徹底的に記録を残す、証拠を集める

 会社は、基本的にパワハラの事実を認めません。必ずと言って良いほど全力で否定します。従って、会社にパワハラの事実を認めてもらい、是正するためにはしっかりとした事実関係を固める必要があります。

 逆に事実関係を固めることができなければ、解決させることは難しくなります。その為、パワハラの被害に遭ったときは、ボイスレコーダーやスマートフォンなどで録音等をすることが非常に効果的です。

 録音等が難しければ、具体的かつ詳細な記録(メモ)などを残すことが必要です。「いつ、どこで、だれが、どのように、どのようなテンションで、何をしたのか」をしっかりと残すことが、最終的にあなたを守ることになります。

STEP.4

何を言われても、その場で絶対に合意しない

 パワハラが発展していくと、退職を強要されたり、様々な無理難題を強要されたりします。もし、そのような状況に追い込まれても、その場で何かに合意、あるいは合意と取られる言動は絶対にしないでください。

 これまでの経験上、パワハラの行為者は、そのような被害者の言葉尻を捕らえて、いざ話し合いの場になったときに自分を正当化します。

 冷静に対処することは大変かもしれませんが、とにかくそのような状況では「持ち帰って、少し自分で考えてみます」や「今すぐに回答することはできません」などと回答し、やり過ごしてください。その後、すぐに私たち労働組合に相談してください。

 尚、労働者は労働条件に関わることについて、その場ですぐに回答しなければならない義務はありません。会社が無理矢理回答を迫ることは、これもパワハラに該当することがあります。なので、そのような状況でも録音や記録を残すようにしてください。

STEP.5

証拠を固めて、会社に団体交渉を申し入れる

 私たち労働組合には、団体交渉権という非常に強い法的な強制力が保障されています。これは、労働組合が会社に対し、組合員の労働条件(労働に関わることのほぼ全て)について交渉をする権利です。

 労働組合がこの権利を行使した場合、会社は交渉を正当な理由なく拒否することはできません。正当な理由なく拒否した場合は、違法行為となります。

 事実関係をしっかりと固めて、パワハラ被害者(個人あるいは職場単位)を私たち労働組合に加入してもらい、会社にパワハラ問題について団体交渉を要求します。これにより、会社を法的にオフィシャルな話し合いのテーブルにつかせます。尚、その際の書類作成や交渉など技術的サポートはすべて労働組合の専門スタッフが行います。

 また、労働組合に入ったことを理由に嫌がらせ等をすることも、法律で固く禁じられています。もし、そのようなことが起こった場合には、法的措置を講じます。

STEP.6

団体交渉でパワハラ問題について協議

 会社とパワハラ問題について、解決のための交渉を行います。基本的に交渉は労働組合の専門スタッフが担います。

 交渉では、会社は誠実に対応しなければならない法的義務を負うので、嘘やいい加減な対応は違法行為となり許されません。私たち労働組合は、これまでの経験、独自のノウハウを駆使して問題が解決するまで継続して交渉を行います。また、場合によっては、労働基準監督署、労働委員会、顧問弁護士と連携するなど、あらゆる施策を講じて問題解決を目指します。

 必要な情報や証拠が固まっていれば早期解決をすることもできますが、交渉が難航することもあります。詳しいことは、お問合せください。

STEP.7

再発防止の為に組合を定着させる

 パワハラ問題が解決したあとも、同様の問題が再発しないように、職場に労働組合が定着するまで適宜サポートを行っていきます。組合が職場に深く根を下ろすまでには中長期的な取り組みが必要ですが、労働組合のマネジメント等は専門スタッフが丁寧にご指導致します。

 職場に労働組合が定着すれば、パワハラ問題のみならず、様々な労働問題、労働環境の維持・改善が実現でき、誰もが安心して気持ちよく働ける職場をつくることができます。

 人生で仕事に費やす時間はとても長いです。より良い職場づくりは、仕事を楽しくします。仕事が楽しくなれば、人生も楽しくなります。逆に、悩みや問題が山積みの職場では、仕事は辛く、人生は苦い物になります。

 一歩踏み出せば解決できる問題はたくさんあります。労働組合にできることはたくさんあります。まずは私たち労働組合にご相談ください。

まずはご相談ください

ご相談、ご連絡は電話、LINE、メールにて承っております。

職場のことは、迷わず労働組合にご相談ください。


    ※トラブルの原因になるので、職場のパソコン、職場のアドレスからはメールしないでください。