団体交渉で垣間見た、ルミエール経営者の意識

団体交渉で垣間見た、ルミエール経営者の意識

今回の記事は、札幌地域労組の原田優子委員長に、ルミエール団交の体験を書いてもらいました。

現在、原田委員長は市内の軽費老人ホームで相談員をしていますが、昨年までは東区の特別養護老人ホーム慈徳ハイツで介護係長を務めていました。

プロの目には、ルミエール幹部の姿はどう映ったのでしょう。

 

有期雇用者に再雇用される権利は無い?

ルミエールの団体交渉には、今回で3度目の参加になる。

毎回、ルミエール城田仁事務局長の発言には怒りを感じるが、 このたびの「(有期雇用の)労働者に再雇用される権利は無い」という発言には、ただただあきれるばかりだった。

 

ルミエールで6年以上働いてきた多田めぐみさん(1年契約の有期雇用)に、このたび渡された雇用契約書には、 但し書きとして、「上記雇用期間でも労働者は退職でき、使用者も解雇できます」という文言が新たに加わっていた。

 

また、再雇用に関する条件が大幅に書き換えられ、使用者の胸先三寸で雇用を打ち切れるかのような内容となっていた。

 

 

スタッフを粗末に扱って、良い介護ができるの?

本来、解雇に関することは、就業規則にすでに定められており、これを超えて厳しい条件をつけることはできないし、 雇用契約の更新が期待される場合(殆どの有期雇用がこれに該当)や、繰り返し契約を更新してきたケースについては、 使用者が恣意的に解雇(雇い止め)をすることは解雇権の乱用にあたり無効とされる。

 

それにもかかわらず、不安定雇用の労働者をことさらに不安に陥れるような内容を書き加えるとは、使用者自らが労使の信頼関係を損なうようなものであり、愚かな行為だと思う。

 

組合の抗議に対しても全く反省の色も無く、城田局長は「書いて何が悪い、書き変えるつもりは無い」と言い張り、 さらには「(有期雇用の)労働者に再雇用される権利は無い」と言葉を重ねた。

 

労働法のイロハもわきまえない言葉だが、 労使の信頼関係作りに配慮する事は法律以前の問題としての良識だろう。

 

短期間のうちに多額の余剰金を生み出す一方、派遣や有期雇用の準職員を多用してきたルミエールだが 「雇用期間を定めるのは、経営上の都合」であり、「人件費が抑制できるからである」と堂々と言いながら、 労働者の気持ちや、権利には理解を示すことはしない。

 

介護現場を支えているのは、他でもないこのような扱いをされ ている介護労働者なのだが・・・・・。

 

 

 

「虐待はあり得ない」では、施設運営の基本を理解していない

3年前に起こった虐待事件では、内部告発をした職員が逆に施設から「事実無根の事を口外し施設に損害を与えた。1千万円の賠償金を払え」として訴えられ、2年半もの間、裁判で争ってきた。

 

裁判は6月11日判決を迎えるが、 施設は一貫して虐待の事実を認めず、内部告発者への退職強要や、嫌がらせを続けた経過がある。

 

「殴った」「押し倒した」などの暴力行為も含む目撃証言が多数出ているにもかかわらず、 「当事者が否定しているので、虐待はあったとは言えない」と、施設側はまともな調査も対応策も取って来なかったことが、 裁判の経過でも明らかとなっている。

 

今回の団体交渉では、組合はルミエールに対し、改めて虐待問題への一連の施設の対応についての検証と、再発防止を申し入れた。

 

しかし、施設側は、それは労働条件に関わる事ではないから、組合と協議する内容ではないと、話し合うことそのものを拒否した。そして、城田事務局長は「ルミエールでは虐待はあり得ない」ので、話し合うことは出来ないと強調した。

 

福祉施設では、虐待や、不適切な処遇などは、どこでも起こりえることを前提として、予防のための対策や、情報収集を行っている。

 

殴る、怒鳴る、無理やりさせるなどということが、リアリティを持って報告されること自体が、大きな問題として捉えられるべきることであり、あったか、なかったかの結果より以前に、対応策が考えられてしかるべきである。 

 

話し合う必要も認めないという態度は、3年前も今も、施設の無責任な対応を認めることも、反省する事もせず、居直り続けていることになる。

これを、施設の現状と利用者への人権についての認識の浅さ、問題意識の無さの表れだというのは、 ルミエールの場合、褒めすぎかもしれない。

 

ワーキングプア賃金に押さえつつ、いつでも首を切れるかのような不安定雇用労働者を多用し、安上がりな処遇で事足れりとするルミエールの経営姿勢は、利益追求しか眼中にないと言わざるを得ない。

 

 

 

労働者へは厳しい査定を実施

ルミエールは昨年、一方的に就業規則を不利益に書き変え、昇給やボーナスに厳しい査定制度を設け、これをパート職員にまで適用してきた。

 

これまでどおりの定期昇給額を手にするためには「S評価」(非の打ちどころがない業務実績) が求められるが、「今年は誰も該当者が居ない」とのこと。

 

並みの経営者と比べても「非がありすぎ」の経営者が、 労働者には「非の打ちどころが無い」労務提供を求めているのだから、これにはあきれて言葉もない。 

 

 

 

介護現場の改善は、スタッフの努力の結果

施設職員の利用者への対応は、この3年間で市の監査指導でも評価されるほどに改善されたが、それは現場の介護職員 が努力を積み重ねた結果である。

 

自らの責任を自覚できない経営者に、現場職員のこの努力を正当に評価する事ができるものだろうか。

 

虐待の事実を認めようともしない経営者に対して、多田さんが内部告発をし、利用者虐待を許してはならないと表明し、 現場で実践してきた事が、心ある職員や利用者家族の力となり、現状を大きく変える原動力となった。一介のパート介護職でも これだけの力がある。

 

ルミエールを運営する社会福祉法人公和会の理事会・評議会のメンバーは、自らの職責と名誉を重んじるならば、無責任な 経営者の態度をきっちりと正してもらいたいと思う。(原田優子) 

 

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