ルミエール虐待事件裁判、ついに決着

ルミエール虐待事件裁判、ついに決着

特別養護老人ホーム・ルミエール(社福・公和会、長沼政幸理事長)における入所者への5件の 暴行事件を内部告発した多田・坂本両名に対する、施設側による嫌がらせについて慰謝料請求(反訴)した裁判で、5月25日札幌高裁判決は、多田・坂本両名の主張を全面的に認め施設側に計160万円の慰謝料支払いを命じた。

 

今回の札幌高裁判決は、内部告発者を弾圧し続けた経営者を厳しく断罪し、多田・坂本両名の 勇気ある行動を入所者の安全を守る正当な行為と認めた点で高く評価できる。

 

しかし、09年10月の最高裁判決が施設側による職員への提訴を正当と認め、審理を札幌高裁へ差し戻した点は、介護労働者へ通報義務を課した高齢者虐待防止法の通報者保護の実効性を事実上無にするものとして、私たちは今後もこれを批判していかなければならない。

 

 

入所者暴行の事実は昨年中に確定済み

施設側が否定し続けた入所者への5件の暴行事件については、既に1審の札幌地裁、 2審の札幌高裁とも全て事実と認定し決着が着いている(最高裁は施設側の上告を不受理)

 

また、利用者家族が起こした裁判でも「暴行の事実あり」で決着が着いている。 しかし、虐待は一切ないと開き直った経営者の責任は、現在もなお問われることはない。

 

 

施設長らの言動は違法な人格権侵害

記者会見する川村弁護士(左)と多田めぐみさん 司法記者クラブ 2010年5月25日

高裁判決は、事件当事の長沼シズ子施設長、鈴木則子副施設長(現・施設長)による多田・坂本両名に対する一連の嫌がらせ行為について「内部情報提供者を保護すべき立場にあった 施設の幹部職員の行為としては、違法な人格権侵害行為というべき」と断じた。

 

さらに施設長が多田さんを虐待行為者の職員と直接対決させたことは「内部通報者保護の見地からして違法な行為」と認定した。

 

また、城田仁事務局長が多田・坂本両名に対し、札幌市や報道機関に虐待を内部告発したことを非難して、 これを謝罪することを求め、それに応じたら訴えを取り下げてやるとした行為については、 内部通報に対する不利益取り扱い禁止の義務に違反する行為と断じた。

 

 

内部告発を評価した高裁判決

高裁判決は、多田・坂本両名の行動を正当な行為と評価し、 施設側による嫌がらせで屈辱を受けたことに最大限理解を示した。以下、判決文からの引用(要旨)。

 

多田・坂本両名は特養ホームの介護職員として、高齢の入所者の身体の安全を守るために、 他の職員の入所者に対する虐待行為の防止を施設長に申し出たにもかかわらず

施設側が充分な対応をしなかったことから、 自己が加入する労働組合を通じて札幌市に改善指導の申し入れを行い、報道機関に情報提供行為を行ったものであるところ

施設側は多田・坂本両名の情報提供行為を施設の職員としてあるまじき行為をしたものとして

多田・坂本両名を嫌悪し、 数ヶ月間にわたり、嫌がらせ、誹謗中傷および侮辱等をするなどの行為を繰り返し行ったものである。

 

したがって、施設側の行為は多田・坂本両名の人格権を侵害するものであるから、慰謝料支払い義務を負うというべきである。

 

多田・坂本両名は、施設側の不法行為により、多大な屈辱感を味わったのみならず

これらの行為を通じて、 ルミエール内において他の職員から距離を置かれるようになったものであり、その精神的苦痛は大きかったこと

多田・坂本両名が入所者に対する虐待防止を施設側に申し出るなどした行為は、施設の介護職員として高齢の入所者の身体の 安全を守るためにしたものであり

多田・坂本両名の行為は何ら非難されるべき点はないこと、 その他施設側の不法行為の態様及び期間などの諸般の事情を総合考慮し、慰謝するためには各80万円をもって相当と認める。

 

 

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