特養ルミエールにおける高齢者虐待は、札幌地域労組が8月27日に札幌市へ内部告発してから3ヶ月が経過しました。 しかし、ルミエール側は未だに「虐待は無かった」と開き直っています。
長沼政幸理事長(医師)に至っては、 札幌市の「虐待が強く疑われる」との調査結果(10/1中間報告)を不当な内容だと強く反発しているようです。 また妻の長沼シズコ施設長は、虐待を内部告発した多田さん、坂本さんを逆恨みし弾圧を続けています。
そのような姿勢の法人なので、虐待への反省や再発防止策などあるはずも無く、一部の虐待常習者らは、 未だに通常通りの「勤務」に就いています。
その中には、派遣のケアワーカーを前に「言えるものなら、言って見ろ」 とばかりに、堂々と虐待を行うものがいるありさまです。
虐待を報告されても、先のKケアワーカーのように 「神に誓ってやってない」とさえ言えば、施設側が弁護士までつけて保護してくれるので、やりたい放題の状況です。 一方、勇気をもって虐待の事実を報告した2名は、施設長から「訴えてやる!」と罵倒され、 本当に訴えられてしまったのです。
2件の裁判開始
ルミエールの利用者家族である葛西清さんが、 母親に対する虐待への慰謝料200万円を求めルミエールを訴えた裁判の第一回口頭弁論が11月29日に行われました (被告ルミエール側は欠席)。
ルミエールはあくまでも虐待は無かったとして争う姿勢です。
ルミエール側が、内部告発をした多田さん、坂本さん、 札幌地域労組、鈴木書記長、道新、F記者の6者に計1500万円の慰謝料請求した裁判は12月20日(月) の10時15分に第一回口頭弁論が開かれます。
この裁判は、多田さん、坂本さんの両名から 「正当な内部告発に対し、施設長らからいわれの無い差別やいじめを受けた」ことへの慰謝料請求(反訴の裁判)を 起す予定です。
ルミエール虐待問題で厚生労働省交渉を予定
12月14日、札幌地域労組の上部団体・全国ユニオンは「介護保険制度見直し」について参議院会館で 厚生労働省との交渉を予定しています。
そのなかで、ルミエールにおける高齢者虐待を内部告発したことについて、 当事者の多田さん、坂本さん両名から報告するとともに、今後、厚生労働省として介護現場から今回と 同様の内部告発があった場合、それをフォローするつもりがあるかについて、問いただしてきたいと思います。
少なくとも、私たち札幌地域労組は虐待の頻発と介護保険は深い関連があると直感しています。
なぜなら介護保険導入以降、ルミエールやノテ福祉会(㈱ジャパンケアサービス) のような儲け至上主義の経営者らによって、介護スタッフの労働条件は急激に低下・不安定化させられているからです。
【北海道新聞より引用】特養老人ホーム「ルミエール」元職員が虐待目撃 札幌市に複数証言
※以下は2004.12/2北海道新聞(朝刊)からの引用です。
札幌市白石区の社会福祉法人公和会(長沼政幸理事長)が運営する特別養護老人ホーム「ルミエール」 の虐待疑惑問題で、複数の元介護職員が虐待の現場を見たとして、実態を調査中の札幌市保健福祉部に証言している ことが1日分かった。
元介護職員らは、入居者がたたかれたり、つねられたりする現場を見たとしているほか、「 食え」「汚ねえだろ」などの暴言は日常的だったと話しているという。
市は、こうした証言も踏まえ、早ければ年内にも市議会に最終調査結果を報告する。
同部に寄せられた情報は五件。 それによると、介護職員として同ホームに勤めていた男性は《1》複数の女性職員が入居者をトイレに連れて行く際、 耳たぶや胸ぐらをつかんで引きずっていった《2》一部の男性職員はベッドで失禁した入居者の頭頂部や側頭部 を平手でたたいていた-などの現場を見たという。
この介護職員は北海道新聞の取材に対し、 「施設の実態に驚いて一カ月ほどで辞めた」と話している。
一方、女性元職員は《1》男性職員が野菜や煮物を刻んだ食事をスプーンに山盛りにして入居者の口に押し込み、 「食え」と言って後頭部を平手でたたいていた《2》複数の職員が、じっとしていることが難しい入居者をおとなしくさせるために腕の内側をつねっていた《3》トイレに連れて行ってと頼む入居者に、女性職員が 「おむつしてるんだから、そこでしなさい」と言っていた-と市に証言した。この女性元職員は取材に対し 「施設長に注意するよう何度も言ったが、聞き入れられなかった」としている。
市によると、このほか、 「『触るなって』『座ってれ』『立つなって言ってるべや』の暴言は日常的だった」 「ある男性職員がお年寄りの身体を腰に乗せて、柔道の一本背負いをかけるまねをしてほかの介護職員に見せていた」 などの証言が寄せられているという。
これについて、 同法人代理人の前田尚一弁護士は取材に「匿名の方の抽象的な話ということであれば、 当施設としても調査のしようもなく、コメントのしようがありません」と書面で回答した。