札幌地域労組大学非常勤講師ユニオンが、北星学園大学で非常勤講師の待遇改善に取り組みました。

きっかけは一方的な講師給引き下げ

北星学園大学では、2025年度より、授業時間が変更(90分15講→100分14講)の授業時間が変更されることに伴い、全体の授業時間が50分増えるかかわらず、1講あたりの講師給を変えないため、半年で約1万円が実質的に賃下げをされようとしていました。

非常勤講師に、講師給引き下げに関する通知がきたのは2024年11月でした。

本件に疑問をもった非常勤講師の先生によって、今年の1月8日に個人加盟で団体交渉を申し入れ、3月4日に札幌地域労組大学非常勤講師ユニオンを結成し、ストライキ権も確立しながら交渉をすすめました。

講師給引き下げを撤回させ、満額回答を勝ち取る!!

紆余曲折の末、8月20日の団体交渉とその後の回答によって、講師給切り下げが撤回され、授業時間が増えた分だけ、1講あたりの講師給も増額になることが決定されました。

組合要求の満額回答でした。

一人で何コマも担当する先生もいるので、多い人で年間10万円以上の賃下げを撤回させることができ、安心して働くことができるようになりました。

非常勤講師も有給休暇を取得可能に

祝勝会でふるまわれた中華ちまきとマントウ。

また、労働基準法第39条で、使用者は労働者への有給休暇の付与が義務付けられています。

正社員はもちろん、非正規労働者であっても、年間48日以上(概ね週に1回以上)働いていれば、職種を問わず、年に1日以上の有給休暇の権利が発生します。

大学非常勤講師においても、授業コマ数によっては有給休暇が発生します。

しかし、札幌の多くの大学では非常勤講師が有給休暇を取得できる旨が周知されておらず、実際に有給を取得する例はほとんどありませんでした。

そこで、まずは北星学園大学で、混乱なく有給休暇を取得するために、12月18日に有給休暇の取得方法についての運用方法について交渉し、概ね妥結しました。

今後、非常勤講師であっても、有給休暇を取得することができるので、出張や研修はもちろん、急な病気や子供の世話であっても、賃金が減る心配をしないで休むことができます。

札幌圏の大学で待遇改善を求めて、活動は続く

北星学園大学の講師給引き下げ問題がきっかけとなって結成された非常勤講師ユニオンですが、北星学園大学が他の大学よりも特別悪いという訳ではありません。

むしろ、組合を結成してから、比較的すぐに講師給引き下げを撤回したり、非常勤講師も安心して有給を取得できる体制をつくったことは、素晴らしいと思っています。

しかし、いくつかの大学で20年近く講師給が上がっていなかったり、1年契約が基本でとても不安定な状況に置かれているなど、非常勤講師の働き方の問題は山積しています。

これらの問題に対応するため、ユニオンでは、来年も、打ち合わせや待遇改善のための活動のほか、映画会や交流会などの企画も予定されています。

来年度も、大学非常勤講師ユニオンの応援をよろしくお願いします!

札幌近郊の大学で働く非常勤講師の先生で、ユニオンに加入を希望される方は、札幌地域労組k-momoi[at]s-union.gr.jpまで、お気軽にお問い合わせください。