2004年8月27日に特養ルミエールにおける虐待問題を内部告発してから、間もなく1年が過ぎます。

内部告発以降、札幌市は組合が指摘した虐待行為以外にも50件の虐待が強く疑われるとして、 昨年12月、ルミエール長沼政幸理事長に対し行政処分(改善命令)を命じました。

この間、ルミエール側は「虐待は一切無い」と開き直り、虐待を内部告発したルミエールユニオンの多田さん、 坂本さん、地域労組、鈴木書記長、道新、F記者ら計6者を名誉棄損で訴え、職場内では「虐待を内部告発した者 はこうなる」とばかりに見せしめ的な村八分を行い、それは今も続いています。

 

今も散発する虐待

 

昨年8月の内部告発以降も、ルミエールでは次のような虐待が続いています。

 

①04年10月、派遣スタッフの目前でベテラン職員(女性)が入浴介助中の女性利用者の肩を鷲づかみにつねる。 (タオルを当てアザが残らないよう「工夫」)

虐待を見せつけられたという派遣スタッフへは、上司や札幌 市への報告をお願いするが、当人は報復を恐れてか虐待目撃の報告を拒否。

 

②05年1月、男性利用者が暴れたことに足ツボを押してお仕置き。

後に組合が団交で「未だに虐待事例がある」 と指摘する。当事者が「仕返し」行為を認めたにもかかわらず、ルミエール側は即座に介護日誌に「利用者が暴れ たことへの正当防衛と記録せよ」と指示。 虐待の事実を指摘した多田さん坂本さんは、「なんでもチクる奴」として、またしても職場内で悪者扱い。 一方の虐待行為者へは「あんたは悪くない」としてフロアーリーダーに昇格させる。

 

③05年7月、入浴介助中に暴れた男性利用者にお仕置き。

 

④05年7月、水分補給を拒否した女性利用者のオデコを叩く。

 

⑤05年8月、投薬介助を拒否した女性利用者のオデコを叩く。

 

更にこれ以外にも、他施設なら「虐待」として問題視するような暴言や乱暴な声かけが常態化しています。

これは、ベテラン職員が殆どおらず、介護スタッフの半数を経験の浅い派遣会社から補充し、人手不足のなかで 介護スタッフがいら立ちながら仕事をするというルミエールの構造的な問題が背景にあります。

これだけの社会問題を起こしてもなお、長沼理事長やその妻である長沼施設長、鈴木則子副施設長らは、未だに なんらその責任を問われることもなく、介護保険制度に基づく特別養護老人ホームの運営を任されているのです。

 

市議会関係者の「忠告」?

私たち地域労組は、今年2月にルミエール虐待問題の報告集会を行いました。

そのことに対し、元・市議会副議長の西村市議は札幌地域労組に対し「(組合は「虐待根絶を目指す」と言うが) それはきれいごとで、虐待なんかどこの施設でもある。市の改善命令が出たのに、いつまでも騒ぐべきでない。 裁判もお互い取り下げるべきだ」などと述べました。

 

政治家の実態に触れる貴重な機会を得たことに感謝します…

なお、裁判を起しているのはルミエール経営者が内部告発した多田さん坂本さんを不当にも弾圧したことへの 慰謝料請求であり、「お互い様」ではありません。

この秋には、いよいよ札幌地裁大法廷において証人尋問が開始され、ルミエールにおける虐待の実態が関係者の 証言から明らかになります。裁判日程が入り次第、皆様へお知らせします。ぜひ、傍聴に来てください!