5月30日、大丸ディンプル派遣切りへの抗議行動をしました。その報告記事です。

緊急事態宣言解除後はじめての土曜日

2020年5月30日、今年いちばんの日差しの中、大丸札幌店の正面玄関前で派遣切りに対する抗議行動を起こした。

緊急事態宣言が解除され、大丸札幌店が営業再開してから初めての土曜日。大丸札幌店にとっては待ちに待った日だったはずだ。

しかし、切り捨てられた従業員のことを忘れてもらうわけにはいかない。

 

コロナで派遣だけ切り捨てられた

北島夏美(仮名)さんは、派遣社員として大丸札幌店資生堂の化粧品売り場で2年以上働いていた。

中国語通訳として、外国人観光客を相手に繁忙期は1日150人を接客することもあった。

派遣会社は大丸松坂屋グループ100%出資の派遣会社である株式会社ディンプル icon-external-link 

しかしコロナ禍における百貨店の業績悪化により、派遣社員の多くが解雇、北島さんも4月末での雇い止めを宣告された。

雇い止めの予告はたった20日前だった。

今回のコロナ禍で、国や道、経団連まで派遣の雇用を維持するように企業に要請している(本当は”要請”ではなくスペインのように法律で解雇禁止にすべきところだが)。

そのための雇用調整助成金も拡充されているのだ。

そのような状況にもかかわらず、正社員の雇用を維持する一方で派遣社員は簡単に切り捨てられた。

これが一流企業である大丸のやることだろうか?

これを派遣差別と言わずになんというのか。

 

大丸の目の前で50人が抗議の声


ナショナルセンターの壁を越えて多くの仲間が集まった(大丸札幌店正面入口前)

この行動のために(?)閉鎖された大丸の正面玄関。

その目の前で、ナショナルセンターの壁を越えた様々な組合旗がはためく。

「大丸は派遣の使い捨てをやめろ」と書いた大丸カラー・青緑地の看板はこの日のために作った。

鈴木一副委員長は「派遣であるというだけで国のセーフティネットから外されるのはおかしい」と訴えた。

 

道労連の三上友衛議長も「雇用を維持している小さな居酒屋もある。大企業である大丸は派遣であろうと雇用を維持し、社会的責任を果たしてほしい」と述べた。

ほかにも労働弁護団の斎藤耕弁護士をはじめ、市民団体の活動家、介護士、大学教員などによるマイクリレーが行われた。

トラメガの音は大丸の中にも届いただろうか。

 

締めに、「大丸は派遣差別をするな!」「大丸は派遣の使い捨てをやめろ!」「大丸は加藤厚労大臣の言うことを聞け!(加藤大臣は派遣の雇用維持を呼びかけている)」のシュプレヒコールで今回の行動は終わった。

総勢50人が派遣切りへの怒りをもってこの場に集まっていた。

 

この闘いは北海道新聞 icon-external-link 、毎日新聞、赤旗(通常版、日曜版)、朝日新聞、NHKで報道された。

 

鉢呂吉雄議員の働きかけで労働局も調査に載りだす


聞き取り調査をする労働局職員(6月8日札幌地域労組書記局にて)

また、抗議行動明けの月曜日、立憲民主党の鉢呂吉雄参議院議員が組合事務所に訪れ、なんと翌日には派遣切りの調査をするように厚労省に働きかけてくれた。

それを受けて行われた6月8日労働局の職員による組合への調査では、派遣労働者に対する法的保護が弱すぎるという問題を訴えた。

同様の調査は相手の派遣会社である株式会社ディンプルにも行われたようだ。

 

今後は不買運動を呼びかける

 

今回の行動を起こすにあたって、大丸札幌店の前が小さな広場になっており、その上そこがJR札幌駅前で市の管轄だったことは僥倖だった。

利用届さえ提出すれば大丸の目の前でいつでも何度でも抗議行動ができるのだ。今後は全国の大丸の不買運動を呼びかけていく。

人間を平然と使い捨てにする企業には、労働組合がお仕置きだ!

 

 

 

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