地域労組の活躍が載った新聞記事の一部。北海道新聞、毎日、朝日、赤旗など。テレビではNHK、HBCでも。

コロナ禍は日本経済全体に深刻な影響を及ぼしていますが、そのような状況下で真っ先に切り捨てられるのは立場の弱い不安定雇用労働者です。

先月はコロナ禍の影響による雇止め、解雇、休業手当不払いなどの相談も多く寄せられました。

マスメディアの取材も相次ぎ、個人で加入できる労働組合の必要性を強く感じる日々でした。

NTTネクシア求人詐欺

面接時に「定年がない」と口頭による説明を受けたため、同じく定年のない会社からの転職を決めたOさんが、契約2年目で65歳定年を理由に雇止めされた事件。

OさんはNTT子会社のコールセンターで給湯器故障の受付の仕事をしていました。

過去3回の団交で、会社は「定年がないと言った記憶がない」などとはぐらかし続け、らちが明かないため、闘いの場を裁判に移しました。

Оさんは弁護士との打ち合わせ中にも、「記憶があると言っている方よりも、記憶がないと言っている方の言い分が通るのはおかしい」と、怒りを露わにしていました。

第一回口頭弁論期日は8月18日が終わり、第二回は9月30日です。

卑怯な会社の言い分が通り、立場の弱い労働者は泣き寝入りを迫られる社会を変えましょう!

コールセンター有給取得妨害

東京に本社があるコールセンター会社Sの札幌支店での、有給休暇の取得妨害事件。

4月末での退職を決めたNさんは、会社に対してそれまで一度も使っていなかった有給休暇の取得を申し入れ、上司と相談しながら退職日から逆算して有給日程を組みました。

しかし退職後、振込口座に有給分の金額はありませんでした。

上司や東京本社に確認しても、「退職後の有給取得はできない」の一点張り。しかしNさんが有給取得を申し入れたのは当然ながら在職中で、上司もそれを分かっているはずです。

労働者の泣き寝入りを見越した会社のコズルイ手口です。

Nさんは札幌地域労組に駆け込み、会社と闘うことを決意。

組合との交渉を通じて、会社は有給休暇分の賃金全額を支払いました。

解決後、Nさんの「金額の問題ではなく、会社の不誠実な対応が許せなかった。弱き者の味方がいてくれて嬉しい。札幌地域労組の永久組合員です」との言葉に、身が引き締まる思いです。

派遣社員不当解雇

コールセンターで長期契約といわれて雇用されていたにもかかわらず、就業後1か月で解雇(中途解約)を宣告された派遣労働者の事件。

中高年の派遣労働者に対し、20代の派遣元若手社員が暴言などの不適切な対応をしていました。

団体交渉で、会社は全面的に非を認め、残る雇用期間についての補償を支払うことで円満解決しました。

ネイル会社コロナ解雇

全国チェーンのネイル会社で、コロナ禍の不況を理由に一部の正社員が、解雇を宣告されました。仕事を続けたければ個人事業主になって業務委託契約を結ぶしかないとのこと。

最近札幌にも上陸したウーバーイーツの労働者をはじめ、個人事業主の法的保護の薄さを利用した偽装請負は世界的な問題になっています。

例えば、個人事業主は労災の適用にならないため、業務が原因でケガをしても補償の対象になりません。雇用保険や社会保険も適用対象外であるため、数々のリスクに対して救済の幅が狭まります。そもそも、コロナ禍とはいえ社員をいきなり解雇することはできません。

解雇された20~30代の4名が札幌地域労組に加入し、会社と団体交渉を行いました。会社は1回の団体交渉で突然の解雇についての非を認め、退職慰労金を支払うことを合意しました。

観光ホテルパワハラ

対人関係やコミュニケーションがうまくいかないなどの障害がある自閉スペクトラム症の人が、4月から入社した温泉街の観光ホテルでパワハラを受けた事件。

Nさんはホテルのレストランでウェイトレスの仕事をしていました。障害があることを事前に会社へ伝えていたにもかかわらず、「泣かす」などの指導を超えた強い言葉など、健常者でも問題になるようなパワハラを受け、急性胃腸炎になり、会社に行けなくなりました。

団体交渉の席で会社は素直に非を認め、パワハラについて謝罪しました。