2004年12月、札幌市は組合からの内部告発を受け、特養ルミエールに対する行政処分として、 「入所者処遇の見直し」「虐待の原因究明と再発防止」「経験豊富な職員指導体制の充実」 「職員の定着率改善のための労働条件の見直し」などを命令・指導しました。
ところが、 ルミエールは市が虐待の有無の判断を避けたことを逆手に取り「虐待は一切無かった」と開き直りました。
過去の事実に目を向けない者が、誠実な未来を作れないのは当然の成り行きでした。
虐待常習者として名があがっている介護職員が、まさかの昇格…!
ルミエールでは、私たちの内部告発後も5件の虐待が発生していますが、施設側は「本人が否定してい るので虐待ではない」とあっさり結論付けています。
また施設は最近、市の調査でも虐待常習者として名があがっている介護職員を、ルミエール3階の副主任に昇格させました(3階は認知症の利用者が殆どで、 一連の虐待事件の舞台)。
これが市が求めた「経験豊富な指導者の配置」と言うことだとすれば、 ブラックユーモアと言うほかありません。
札幌市は、改善命令を出す際、ルミエール介護職に占める パートや派遣労働者の割合(当時51%)が高いことを問題視し、正職員を増やすよう指導する (札幌市保健福祉局・監査指導室長の議会答弁)」としていましたが、3月末時点のルミエール介護職の パート・派遣の割合は87%です(派遣スタッフは就業中のことを口外しない旨の誓約書を提出させられている)。
使用者に抵抗できない弱い立場の派遣スタッフを増強するということは、ルミエールが二 度と内部告発が起きないような労務政策を徹底したということです。
その労務政策の為に雇われた城田 仁事務局長は「派遣は安いから使っている」と堂々と述べ、この間のルミエールの実態を「よく改善していると札幌市の中田保健福祉部長(4月に異動)から褒められた」と胸を張っています。
これが、 全国初の虐待・改善命令が出された職場の実態です。
札幌市に申し入れの後、市議会各政党へ要請
札幌地域労組は、本日、札幌市に対しルミエールが改善命令を履行していない事実を指摘し、厳正に 対処するよう申し入れした後、自民、民主、公明、共産、市民ネットの各市議会派に議会での取り組みを要請しました。
裁判傍聴のご案内
1.ルミエール(社福・公和会)が内部告発者と道新を訴えた裁判(多田さん、坂本さんが反訴)
5/29(月)13:30~16:30 道新記者・藤田和恵さん(被告)への尋問
2.葛西清さん(利用者家族)がルミエールを訴えた裁判
6/5(月)13:30~16:30 元ルミエール職員Kの証人尋問(ルミエール側が証人申請)
※前回の裁判5月15日は、裁判所の都合で延期でした。傍聴に来ていただいた皆様にお詫びします。 場所はいずれも札幌地裁8階3号法廷です