特養ルミエールにおける虐待問題を積極的に書いたことで、社会福祉法人公和会から恨みを買い、ルミエールユニオンの多田さん、坂本さんらと共に訴えられた北海道新 聞の藤田和恵記者が5月29日、約50名の傍聴者が見守るなか札幌地裁の証言台に立 ちました。

 

藤田記者は、一連のルミエール虐待問題の記事を、単に札幌地域労組からの情報を鵜呑みにしたのではなく、多田さん、坂本さん以外の複数のルミエール職員からも虐待目撃の証言を得て、さらには自ら複数の利用者家族に接触し、入所者の体に不審なアザがあったこ との証言や、顔に殴られたようなアザのある写真を見せられ、虐待が事実であることを記者自身の取材を通し、確認した経緯を証言しました。

 

ルミエール側、反対尋問を放棄か?

ルミエールが「(ありもしない)虐待問題の内部告発や報道で、名誉が著しく損なわれた」として組合や道新を訴えたのがこの裁判です。

ルミエール代理人の前田尚一弁護士が、本当に虐待が無かったと信じているならば、こちら側の「虐待を目撃した」という証言に 対し、例えば「貴女が目撃したという話は嘘ではないのか?」「その位置から虐待行為を確認するのは不可能では?」などの反対尋問を積極的にしかけ、こちらの証言を少しでも崩そうとするのが普通です。

そうしないとルミエールの主張する「虐待は無かった」「道新の報道は虚偽だ」という名誉棄損の根幹部分を立証できないはずです。ところが、これまでの5回の証人尋問で、前田弁護士は肝心の虐待の事実関係については殆ど質問せず、こ の争いを最初から放棄しているように見えます。

これでは、単に虐待疑惑打ち消しを狙っ た一時しのぎの提訴と言わざるを得ません。

 

K証人、勢い余って市の調査結果まで全面否定

6月5日は入所者家族がルミエールを訴えた裁判(原告・葛西清さん)があり、虐待加害者である元職員K氏に対する証人尋問が行われました。

K氏は5件の虐待疑惑について 全て「ありません」と全面否定。

原告代理人の高木淳平弁護士が、札幌市の調査結果を示しルミエール内で「暴言」とか「車椅子を突き放す」などの不適切介護は無かったか質した際も、全てこれを否定しました。

 

裁判長は、K氏が道新の取材を拒否した点について「虐待に身に覚えが無いと言うなら『どうしてこんな記事が出るのか』と記者を問い質すことは考えなかったのか?」と繰り返し質問しましたが、K氏は「記者かどうか疑わしい」とか「わかりません」と答えました。

 

一つの嘘を覆い隠すために、次々と嘘をつき続けなくてはならない姿は哀れでさえありました。

 

K氏の虐待否定の姿は、そのまま現在のルミエール経営者の姿でもあります。

 

 

裁判傍聴のご案内(※場所はいずれも札幌地裁8階3号法廷です)

1.ルミエール(社福・公和会)が内部告発者と道新を訴えた裁判

8/28(月)10:30~12:00

公和会理事・鈴木則子施設長への尋問(ルミエール側の証人) 第1回目

9/11(月)13:30~15:30

公和会理事・鈴木則子施設長への尋問(ルミエール側の証人) 第2回目

 

2.葛西清さん(利用者家族)がルミエール(公和会)を訴えた裁判

7/10(月)10:15~※この日の証人尋問はありません