ルミエール虐待事件裁判 最高裁判決で入所者虐待の事実確定

ルミエール虐待事件裁判 最高裁判決で入所者虐待の事実確定

最高裁判決で入所者虐待の事実確定。一方で内部告発者への嫌がらせ提訴は「正当な権利」と是認。

 

10月23日最高裁第二小法廷は、虐待を内部告発した多田・坂本両名に対する施設側の提訴を含む様々な 嫌がらせを違法とした“08年札幌高裁判決”のうち、「提訴を違法」とした部分について破棄、慰謝料の額について審理を尽くすよう高裁に差し戻した。

 

高齢者虐待防止法は、施設による虐待通報者への不利益な取り扱いを禁じているが、 最高裁の裁判官には、年収200万円足らずの不安定雇用の介護職員が、施設経営者から訴訟で1千万円も請求されることが、何を意味するのか理解できないのだろう。

 

介護現場への想像力を著しく欠いた判決により、06年にせっかく盛り込まれた通報者への保護規定は、 絵に描いた餅となる可能性が出てきた。

 

ルミエール経営者は、5年前から一貫して「虐待はでっち上げ」と開き直り、 その姿勢は入所者への5件の暴行の事実が最高裁で確定した以降もずっと続いている。

 

そのようなルミエールは、今回の最高裁判決を「高く評価する」と賞賛した。

 

 

解説

1.入所者への暴行の事実認定

組合が内部告発した入所者への5件の暴行は全て事実であり、 内部告発者や地域労組、道新記者など6者に対する施設側による1500万円の賠償請求は棄却 (1審、2審、最高裁確定)。

 

2.施設経営者の義務

施設側には、①虐待を真相究明する、②内部通報者を保護する、③外部通報者に不利益 を科さない義務があるところ、多田・坂本両名へ嫌がらせをしたことは違法。 (反訴請求:1審棄却、2審全面勝訴、最高裁は施設側のこの部分の上告理由を不受理としたので事実認定は確定)

 

3.施設による内部告発者への提訴

施設内虐待について、わずかな調査をしさえすれば、多田・坂本両名を訴える理由がないことを知り得たのに、これを怠った施設側の内部告発者に対する提訴は違法(反訴:2審判決)。

※最高裁判決はこの部分について、一般国民に裁判を起こす権利を保障した最高裁判例に違反するとして、 札幌高裁判決を破棄。つまり、施設による内部告発者への提訴を正当な権利と認定した。

 

4.反訴した慰謝料請求

08年札幌高裁は、施設側の嫌がらせについて多田・坂本両名へ各100万円の慰謝料支払いを施設側に命じた。(1審敗訴、2審全面勝訴、最高裁は高裁へ差し戻しを命じる)

 

今回、最高裁は施設側による多田・坂本両名への様々な嫌がらせ行為のうち、 高裁がこれも嫌がらせの一つだと認定した「施設側による提訴」の部分を除き、慰謝料の額について審理を尽くすため高裁に差し戻すことを命じた。

 

 

多田めぐみさんのコメント

裁判のなかで虐待の事実認定が確定した後も、施設側は「虐待を否定する」 スタンスを変えていないことに怒りを覚えます。

 

施設経営者が、虐待を通報した介護職員を提訴することが許されるのであれば、虐待を告発しにくい社会になると思う。施設に入所する 高齢者の人権が守られるよう最後まで闘い続けたい。

 

 

2009年10月23日テレビニュース(最高裁判決)

 

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