今年5月17日、ルミエールが改善命令を履行していないとして、札幌地域労組が市に指導を強化するよう申し入れたことにより、ルミエールの介護現場 で派遣が急増していた問題にやっと歯止めがかかりました。

 

ルミエールに改善命令を出した2004年12月、札幌市は「派遣職員は、どうしても短い期間で交代する。利用者に充分な処遇をできないのではないかと危惧している。ルミエールに正職員を増やすよう指導して行きたい」旨議会で答弁していました。

 

ところが、ルミエールの介護職員に占めるパート・派遣の割合は、2004年12月 の改善命令時点の51%から86%(2006年3月末現在)に激増、反対に正職員は 49%から14%に激減し、市の指導内容とは正反対の実態を招いていました。

ルミエール介護現場への派遣は、派遣法上の期間制限(1年)をはるかに超えている点で明らかに違法でした。

今回、札幌地域労組が市へ申し入れたことにより、 札幌市は派遣労働者を直雇用するようルミエールを厳しく指導しました。

その結果、ルミエールは8月21日以降、介護スタッフの希望者全員を派遣から直雇用に切り替えることを発表しました。

 

 

いよいよ施設側の証人登場

虐待内部告発に対する報復としてルミエール(社福・公和会)が組合員や道新 を訴えた裁判は、組合側から4名、道新側1名の証人調べを終え、次回はいよいよ施設側の証人・鈴木則子施設長への尋問が開始されます。

 

裁判では、鈴木則子氏(当時は副施設長)が、職員からの投書や個別の聞き取り調査により、数多くの虐待情報を把握しながらも、それを「虐待無し」と隠ぺい工作した行為の是非が問われることになります。

裁判傍聴の皆様には、施設管理者が介護現場から虐待情報を得た場合、何を優先 し、どう対処すべきか改めて考えて欲しいと思います。

そしてルミエール経営者が、今も虐待問題を一切検証することもなく、開き直り、経営を続けている現実を見てください。

皆さんの傍聴をお願いします!!

 

平泉金弥さんを追悼する

今から4年前、特養ルミエールの劣悪な労働条件を何とか改善しようと、組合結成を呼びかけた当事者である平泉金弥さんが、7月1日31歳で永遠の眠りについた。

彼は、ルミエールユニオンの初代書記長を務め、組合つぶしに奔走する 長沼施設長と果敢に闘った。

 

組合結成から1ヶ月後、施設側は平泉氏が過去に 白血病に罹っていた事実を突き止め、これを理由に彼を解雇してきた。

組合は 不当労働行為事件として労働委員会に救済を申し立てたが、係争中に彼の病気が再発、やむ無く自主退職扱いでの金銭和解となった。

その後、彼は入退院を 繰り返しながらも、故郷の北見市で虐待防止のNPOを設立するなど福祉関係のボランティア活動を続けていた。

そして、今回のルミエール内部告発の闘い においては、その発端となった多田めぐみさんの行動を一貫して支えてくれた。

 

実は、8月28日の裁判は、平泉氏への証人尋問が予定されていた。

彼はこの闘いの行く末を案じ、病床から裁判に出廷することを強く望んでいた。彼の存在 がなければ、ルミエールユニオンの結成もあり得ず、内部告発することも不可能 だった。

この闘いは、平泉金弥さんがルミエールで働いていたことの証でもある。(一)

 

次回ルミエール裁判

8/28(月)10:30~12:00

札幌地裁8階 3号法廷

原告 社会福祉法人公和会(ルミエール)

被告 北海道新聞社、札幌地域労組、鈴木一、多田めぐみ、坂本典子、藤田和恵(道新記者)