はじめに、今日の判決を、傍聴に駆けつけて下さったたくさんの皆様と共に迎えられた事を、本当に嬉しく思い、 この場を借りましてお礼を申し上げます。 

2年半前、施設から提訴された当初は「この後どうなってしまうのか」と不安に思ったり、自分の事だけを考え、 「もう、投げ出してしまいたい」と思ったり、気持ちが落ち着かない時期が続きました。

 

しかし私自身が告発した事件から、私は思いがけずたくさんの事を教えられ、そして、その中でたくさんの人たち に出会い、支えられて裁判闘争を乗り越える事が出来ました。 

 

今では、この裁判は自分だけのものではなく、特別養護老人ホームに入所する利用者さん、その家族、 そこで働く介護職、経営者、そして運営を指導する立場の市や道、基準を決定する国など、事件に直接関係する 所はもちろんですが、一見全く興味を持たないのではないかと思われる一般企業の経営者の方、普通の家庭の主婦 の方など、実に様々な方面に問題提起をした意義のある裁判であったと思っています。 

 

今後、私の職場であるルミエールが利用者の尊厳を守るという原点に立ち戻り、健全な施設運営がなされてこそ、 初めて私が事件を内部告発して良かったと実感できる日が来るだろうと、大きく期待を寄せています。 

 

皆様には、更にルミエールの今後にも注目して頂きたいとお願い致します。 

 

2007年6月11日 

多田めぐみ

 

 

施設から提訴されて以降、これまで沢山の苦難を乗り越え、労働組合関係者はじめ施設利用者家族の皆様に支えられ、 今日の判決を迎えられたことに心より感謝します。

 

入所者のことを一番に考え裁判を闘ってきました。今後、この判決 が障害のある人や、介護を必要とする高齢者への人権感覚の養成に役立てばと思います。 

 

2007年6月11日

坂本典子