ベトナム人実習生不当解雇事件 第3回団体交渉

・初のネット中継団交

4月24日、ベトナム人実習生不当解雇事件第3回の団体交渉を自治労会館で行いました。
(ベトナム人技能実習生不当解雇事件の詳細は前号のニュースにて)

第1回、第2回は実習生たちの住む栗山の農業環境改善センターでの開催でしたが、コロナで会場が使えなかったこと、相手の弁護士からネット中継による参加の申し出があったことから、今までとは異なる形の団交に。スクリーンに相手方弁護士の顔が大きく映ります。

コロナの心配もあり、14人中4人の実習生が参加しました。

・会社側の不誠実な態度が一層浮き彫りに

KOTOBUKIファーム・協和アグリファームのK社長および親会社である寿運輸のM元社長は団交には現れませんでした。弁護士はそれまでと同様に、会社の行為は解雇予告手当金の計算方法を除いてすべて適法であるとの主張を繰り返しました。

しかし「残業代未払い」について、独自の調査もせずに適法だと主張していたことが分かり、愕然としました。一人の実習生の一か月分のタイムカードを見ることすらしていなかった模様。それが誠実な態度だと言えるでしょうか。

会社側の弁護士はこれまでも「確認していない」「わからない」など、不誠実な答弁を繰り返していたため、4月21日付で北海道労働委員会に不当労働行為の救済申立書を提出しました。

また、親会社・寿運輸の元社長で実習生の住む寮のオーナーでもあり、ベトナムでK社長の名前を語って実習生の採用面接を行ったM氏は2014年に食品偽装で罰金刑を受けています。それを実習生の監理団体のI理事も承知していたことが団交の中で明らかになりました。

・K社長、名義貸しであることを暴露

実は団交の前日、書記局はK社長に直接会いに行きました。

30分ほどの会談でしたが、K社長は自分がM氏に頼まれた名ばかり社長であることをアッサリ暴露。これは今まで会社の弁護士も監理団体の役員もごまかしていたことです。

この会社は、実習生の他に日本人従業員約100人を賃金未払いの上解雇していますが、すでに労基署の指導も入っており、名義貸しを後悔しているようでした。

これで我々の交渉相手ははっきりしました。

これからはより強く、実質的な社長である寿運輸のM氏に団体交渉への出席を求め、実習生への補償を求めます!

(ネット中継は、全体的にうまくいったものの、声が聞きとりづらいときがあったり、こちらの意気込みも伝わりにくいように感じました。早く気兼ねなく対面での団交ができるようになりたいです)

NTTネクシア求人詐欺 第3回団体交渉

・「定年がある」との説明を受けて転職

面接時に「定年がない」と口頭による説明を受けたため、同じく定年のない会社からの転職を決めたOさんが、契約2年目で定年を理由に雇止めされた事件。

第3回団体交渉が4月10日に行われました。OさんはNTT子会社のコールセンターで給湯器故障の受付の仕事をしていました。

・「記憶にない」ばかりの会社側

前回に続いて会社側の出席者の誰からも名刺はいただけません。

会社側はOさんに「定年がない」と説明したマネージャーや所長に聞き取りをしたようですが、大事な部分は「記憶にない」ばかり。

記憶のあるOさんは「定年がないと説明を受けた」とはっきり主張していますが、会社側はそれを受け入れるつもりはないそうです。

政治家然り、記憶にない側の方が何故か有利になってしまう世の状況はおかしいです。

・会社の不誠実な姿勢

更に、会社側は「定年がないと説明を受けたか」について、労働者への聞き取りはしていないことを明らかにしました。

誠実に問題の解決をしようと思うならば、Oさんと同じ立場の他の労働者への聞き取りは必須です。

マネージャーや所長などの管理職に近い役職の人は会社に有利な証言をするでしょうし、労働者にも聞き取りをしていなければ、調査はアリバイ作りの形式的なものだと言わざるを得ません。

今、裁判を起こす準備を進めています。みなさんのご支援をお願いします。

大丸で働く中国語通訳の派遣労働者、コロナで雇止め

・新型コロナウイルスによる世界全体の経済危機

新型コロナウイルス感染症の流行は世界的に広がっています。

収束に向かう国も出始めていますが、少なくとも日本では外出自粛の傾向はしばらく続くでしょう。

リーマンショック以来の不況が予想され、誰にとっても不安な時期です。

・22日前の解雇予告

北島夏実(仮名)さんは大丸札幌店の資生堂で、中国語の通訳として3カ月の派遣契約を10回更新し、2年以上働いてきました。

新型コロナウイルスの影響で1月から2月にかけて訪日外国人は激減、国内の客も減りました。
そして4月の頭に突然、彼女は月末での雇止めを宣告されたのです。

それまで2年以上に渡って会社で働いてきていても、首を切られるのは一瞬です。
一方で、正社員の雇用は守られています。

これを身分差別と言わずになんと言うのでしょうか。

たった22日前に雇止めを宣告された彼女はこの経済危機の中でどうやって次の生活の見通しを立てればいいのでしょうか?

会社には、雇用の形に係わらず、従業員の生活を保障する社会的な義務があるはずです。

・人間の使い捨てを許すな

労働者である前にひとりの人間です。人間の使い捨てを許してはいけません。

大丸松坂屋グループ系列の派遣会社である株式会社ディンプルには4月24日付の内容証明で団体交渉の申し入れを行い、雇止めの撤回と国の支援策を利用しながらの雇用継続を求めています。